くだらないたわごとの数々(またはすばらしい作品の数々)
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ある朝、オブライエンはすばらしい朝日の中でめざめた。
彼の目に太陽があたって今にも失明しそうに光っていた。 「うーむむむ」 彼はうなった。 「すばらしい朝だ。これからいい事が起きるにちがい無いぞ」 彼はそう言いながらブラインドのひもを、ひっぱった。 テレビをつけると、ニュースで「まもなく世界は終わります」と女のアナウンサーが言っていた。 女のアナウンサーは、機械的にうつろで、誰かにあやつられているような顔をしていた。 横にいる人間は3人ほどいて、みな一様に、同時に表情を動かし、同時に体を動かしていた。 3人とも同じタイミングで、薄笑いをうかべ、同じタイミングで、背中を3ミリそらした。 よくできたアイドル・チームのようだった。 しかし3人は、尊大なタレント司会者、元エロ番組製作のチンドン・コメンテータ、オカマの映画評論家と 三者三様で個性を主張している。アイドルのように同時に体を動かすはずがない。 というか、そこまで管理されたアイドルも最近はまれだ。 今やみんな麻薬をやりながら統一感なくデレデレダラダラと歌を歌い踊るのが主で、それが 個性だと勘違いしている。 それが、今日のテレビ画面から発散せらる、あやつり人形のオーラは何だろう。 これはただ事ではない。 オブライエンは荒井由実をかけてみた。 すると、荒井由実は、誰かにあやつられたような歌を歌っていた。 オブライエンは死にたくなりながらSHOGUNをかけてみた。 すると、1曲目の「男達のメロディー」はならずに、こんな声が聞こえてきた。 「オハヨウ諸君。諸君は日常生活の中には、とてもこわい恐怖がひそんでいることを知っているか? やさしい歌声も恐怖のうめき声に変わる場合がある。とくにCDなんか持ってると、その可能性は 高くなるぞ。 ラジオのチャンネルには、合わせると、うめき声が聞こえる番号があるのを知ってるか? 諸君の生活の中に恐怖は埋もれている。それを発掘し、探し出すと、人は発狂する」 オブライエンは発狂し逃げ出したくなることがたまにあった。 例えば荒井由実のレコードをかけるとき。 針を落とす前に感じる、荒井由実ではない何かべつのものが、かかるのではないか? という恐怖。 その恐怖と数秒間たたかってから、針が落ちると、いつもの荒井由実が聞こえてホットするが、 その数秒間は長く感じられる。 あるいは朝おきてひもを引っぱってブラインドを上げるとき。 上げた瞬間、窓からなにかがのぞいているのではないか?という恐怖。 たとえばヒトデのような何かが。 思えば、オブライエンは何かにおびえながら、それを必死に押さえつけて、くらしていたのかもしれない。 その恐怖に対する漬け物石が、レコードからの声によって、ひっくり返って地面に落ちた。 とたんに、漬け物樽の中に沈没/発酵していた恐怖のかけらが、物凄い勢いで空に飛び出した。 つづく PR |
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プロフィール
HN:
山田うんこ
性別:
非公開
自己紹介:
1985年 ブルーハーツがインディーでシングルを出す。
1989年 バックトーザフューチャー2公開 200 6〜7年 ぼくが詩をはじめる
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